【一言レビュー】
キャリア理論を丁寧に解説しているのが特徴。9名の理論家に加えて、新しい潮流についても触れられています。図表と一緒にまとめられているのでわかりやすく、キャリアコンサルタントを目指す人にはおすすめのテキストです。
『新版 キャリアの心理学 [第2版]』の目次
第1章 「キャリアの心理学」を学ぶにあたって
1.理論を学習する意味
2.キャリアの心理学を支える基礎理論
(1)発達とは
(2)「キャリア」とは
(3)キャリア発達論の背景
(4)社会構成主義とは
第2章 ドナルド・スーパー:現象学的アプローチの追究
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)現象学的心理学の追究
(2)差異心理学との関係(人と職業との融合)のダイナミズム
(3)発達心理学との関係
3.理論上の主要概念
(1)ライフ・スパン
(2)ライフ・スペースとライフ・ロール:ライフ-キャリア・レインボー
(3)アーチ・モデルの構築
4.考 察
第3章 ジョン・ホランド:環境との相互作用によるキャリア行動の発達
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)「類型論的―交互作用的理論」の提唱と従来の類型論との相違
(2)キャリア発達段階説への批判
(3)職業選択からキャリアへ
3.理論上の主要概念
(1)6角形モデル
(2)パーソナリティ・タイプの発達
4.考 察
第4章 マーク・サビカス:キャリア構築理論
1.個人的背景
2.理論的背景
3.理論上の主要概念
(1)職業パーソナリティ
(2)キャリア・アダプタビリティ
(3)ライフテーマ
4.キャリア・カウンセリングへの応用
5.考 察
第5章 ハリィ・ジェラット:キャリア発達における意思決定
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)予測システムと価値システム
(2)ジェラットの前期理論① 主観的可能性(Subjective Probability)
(3)探索的決定と最終的決定
(4)ジェラットの前期理論② 連続的意思決定プロセス(The Sequential Decision-Making Process)
3.理論上の主要概念(後期理論:左脳だけでなく,右脳も使った意思決定)
(1)後期理論の社会的背景
(2)積極的不確実性(Positive Uncertainty)
4.キャリア・カウンセリングへの応用
5.考察:ジェラットの理論の日本における有用性
第6章 ジョン・クランボルツ:学習理論からのアプローチ
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)行動の獲得:学習
(2)自己効力感
3.理論上の主要概念
(1)キャリア意思決定に影響を与える要因
(2)4要因の結果としての信念・スキル・行動
4.キャリア・カウンセリングへの応用
(1)クライアントが対処しなければならない動向
(2)キャリア・カウンセリングの目標
(3)キャリア・カウンセリングの介入方法
(4)計画された偶発性
5.考 察
第7章 エドガー・シャイン:組織内キャリア発達
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)発達的視点
(2)臨床的視点
3.理論上の主要概念
(1)3つのサイクルとその段階
(2)仕事・キャリアサイクル
(3)キャリア・アンカー
(4)キャリア・サバイバル
4.キャリア・カウンセリングへの応用(ダイナミックなマッチングプロセスの改善)
(1)キャリア・アンカー
(2)職務・役割プランニング
(3)問いかけることの重要性
第8章 ダグラス・ホール:関係性アプローチ
1.個人的背景
2.理論上の主要概念
(1)キャリアについて
(2)プロティアン・キャリア
(3)プロティアン・キャリアに必要な2つのメタ・コンピテンシー
(4)キャリア意思決定
3.キャリア・カウンセリングへの応用
(1)プロティアン・キャリアを促進させる10 のステップ
(2)キャリア発達を促す人間関係
4.考 察
第9章 ナンシィ・シュロスバーグ:人生上の転機(トランジション)とその対処
1.個人的背景
2.理論的背景
(1)成人の発達を捉える4つの視点
(2)転機への対処プロセス
3.理論上の主要概念
(1)トランジション(転機)へのアプローチ:転機の識別,転機のプロセス
(2)対処のための資源を活用する
(3)転機に対処する:資源を強化する
4.カウンセリングへの応用
5.考 察
第10章 サニィ・ハンセン:統合的キャリア発達
1.個人的背景
2.理論的背景
3.理論上の主要概念
4.キャリア・カウンセリングへの応用
5.考 察
第11章 新しい潮流
1.カオス理論の応用
(1)「複雑系(Complex System)」とは
(2)カオス理論とは
(3)キャリア行動への応用
(4)まとめ
2.キャリアから「働くこと(working)」へ
結び:外国で育った理論の理解の困難さを再認識
■コラム
フランク・パーソンズ(Frank Parsons)キャリア発達の父
シャーロッテ・ビューラーについて
発達的アプローチに関する14の命題
VPI(Vocational Preference Inventory)
ストロング職業興味検査(SVIB: Strong Vocational Interest Blank)
類型論(typology)と特性論(trait theory)
個人―環境適合(Person-Environment fit)理論
Adaptationの語源と意味
アドラーの個人心理学
「自己」の捉えかた
連続的意思決定プロセスに沿ったガイダンス
決定―未決定の2分類から,プロセスとしての職業選択
8つのキャリア・アンカー
トランジションとは
『新版 キャリアの心理学 [第2版]』の基本情報
編著 | 渡辺 三枝子 |
出版社 | ナカニシヤ出版 |
ページ数 | 264ページ |
大きさ | 縦:18.8cm 横:12.8cm 厚さ:2.5cm |
参考価格 | 2,200円 |
読書時間の目安 | 約4時間 |